トロピカル~ジュ!プリキュア 第44話のゆるーい感想です!
トロピカル~ジュ!プリキュア 第44話
「魔女の一番大事なこと」
サブタイトル
もうサブタイトルの時点でこの回の重要さが伝わってきますね。
1話から全てをあとまわしにしてきた魔女の「今一番大事なこと」がようやく明かされるわけです。
前半パート
サマーの変身解除
チョンギーレヤラネーダの攻撃が直撃して変身解除。
トロプリは今まで変身解除をあまり多用せず「ここぞ!」という時にだけ使ってきたので、不意打ちだったとはいえちょっと雑な変身解除だなーって思っちゃいました。
終盤は連戦になる中で変身バンクを流さなきゃいけない関係上、変身解除を挟まなきゃいけないのは仕方のないことなんですけどねー。
エルダ
エルダさん、なんてことをするんですか!
だって…これ以上めちゃくちゃになったらお掃除が大変だしぃ
エルダちゃんナイスフォロー!
館での借りを返すっていうより、純粋にまなつを助けたかったんじゃないかなーって思います。にやにや。
それにしても、チョンギーレが無理矢理ヤラネーダにされ、バトラー(と魔女)の目的が世界の破滅ということも明かされたのに、いつものように会話しているあとまわし陣営の面々の肝の据わりようには驚かされます。
魔女の目的
そうです、彼女の目的はただひとつ…この世を滅ぼすこと
どうしてそんな…
私達には理解できなくても、ただそのように生まれてしまっただけなのです
うーん難しい話。
終盤ですから、ここからあまり複雑な設定を増やすと本題が描きづらくなると思うので、ざっくり「そういう人魚だった」とするのは英断だなって思います。
その分、魔女にはどんな過去があったのか、世界を滅ぼそうとする理由があったのではないか…と想像もし放題なので、あとは視聴者側でこねくり回すとしましょう。
人間たちの必死の抵抗にあい…
人間たちの反撃にあって怪我を負う魔女ですが、この1シーンで「人間側の負傷」もしっかり描かれているところが丁寧だと感じました。
どちらもダメージを負う悲しい戦闘だった…ということを浮き彫りにしてくれていると思います。
アウテーネ
私はアウテーネ、あなたは?
まなつと同じフレーズの自己紹介に鳥肌が立ちます。
前回、もしまなつが真っ直ぐ魔女の部屋にたどり着けていたなら、同じように「私の名前は夏海まなつ、魔女さんのお名前は?」と語りかけていたことでしょう。
この共通点が、まなつと亡きアウテーネを繋ぐ大きな要素だったのではないか…と思います。
「アウテーネ」という名前についてですが、作家アンデルセンは「人魚姫」の前に「アグネーテと人魚」という作品を書いているようで、名前の雰囲気からしてもここから取ったのかなーと思います。
答えなくないならいいよ、あなたはどこから来たの?
海…海の世界から…
魔女の名前は明らかになっていないので、ずーっと「破壊の魔女」としか呼ばれてこなかったから…みたいな感じで、もしかしたら無いのかもしれません。
「海から」だけではなく「海の”世界”から」という言い方にしていたのが、好奇心をくすぐられるめっちゃ良い表現だなーって思いました。
アネモネの花
あっ!私達も、もう友達だよね?
アネモネっていう花よ、綺麗でしょ?
この「アネモネ」という花の選択が素晴らしく、制作側の意図が散りばめられていると思います。
まず花言葉!
アネモネ、特に赤いアネモネの花言葉は「君を愛する」という意味で用いられることが多いようです。
アウテーネが誰にでも優しく、沢山の人を愛して過ごしていたであろうことが読み取れます。
もちろんその愛は「破壊の魔女」にも向いていたわけですが、愛する人(魚)を天秤にかけなければいけなかったアウテーネは、当時本当に辛かったんだろうな…と考えさせられます。
チームではなく1人きりで戦っていたのもあり「伝説のプリキュア」と呼ばれるにふさわしい心の強さを持っていたんでしょうね。
ふたつめ、名前の由来!
「4話 ゆる感想」でちょっと触れているのですが「人魚姫」には泡になった後のお話が実はあったりします。
めちゃくちゃ簡単に(私にとって都合よく)要約すると
- 泡になった人魚は風の精に生まれ変わる
- 風を送ったり、花の匂いを振りまいたり…する仕事をする
- 300年で魂を得られるとされるが、(地上で暮らす人達を見て)微笑むと1年単位で短くなり、涙を流すと1日単位で長くなる
という話(設定)なのですが、これを今回泡になった「あとまわしの魔女」にあてはめると「アウテーネと共に、自然の一部となりながら笑って過ごす」になるわけじゃないですか!!これだけでも十分涙目で前が見えなくなるレベルです。
しかもこれだけでは終わりません。
「アネモネ」という名前の由来は「風」を語源としていて、英語だと「風の花(Windflower)」と呼ばれているそうです…!
もうこの情報を見た瞬間、鳥肌ぶわーってなりました。
制作陣の方々がここまで意識していたかはわかりませんが、私には「泡になった魔女はこういう展開が待っているんだよ」というメッセージに思えました。
伝説のプリキュア
1人の人魚を人間の世界に向かわせた…伝説のプリキュアが誕生したの
あー!忘れられた記憶の中で出てきた人魚の方だ!
ということは、大きな記憶の貝殻は魔女の物ではなく、この人魚が残した「伝説のプリキュア」との記憶だったわけですね、盛大なミスリードかましましたねー…それもまた道。
この人魚もアウテーネとの楽しい記憶が沢山あったはずなのに、忘れちゃったんだろうな…って思うとめっちゃ切なくなります。
キュアオアシス
乾いた心に!キュアオアシス!
今までも、昔のプリキュアが話に出てきたことはありましたが、変身バンクと技バンク両方持っているプリキュアはこれが初めてではないでしょうか。
サマーたちが合体技として使用している大地のリング・海のリング両方を1人で使いこなしているので、相当な強さだったに違いありません…が「1人」というのがちょっとさみしいですね。
魔女との戦いが長期に及んでいれば、人魚の子がプリキュアになって「2人はプリキュア!」していたのかなーって考えるとちょっとワクワクします。
崩れた橋
決着は明日にしよう
魔女とオアシスが戦っていた橋の真ん中が崩れるシーン。
川を隔てて対岸に立っている様子から、戦いによってお互い繋がっていたものが途切れてしまった…ように思えるとても悲しげな演出に感じます。
陸と海は“水”によって交わることのない位置関係にある…とも読み取れるかなって思います。
あとまわしの魔女
魔女様、プリキュアとの決着を…
明日にするわ
「破壊の魔女」が「あとまわしの魔女」になった理由が、想像していた何百倍も純粋で美しい理由で心が苦しいです。
「世界を破壊する」という目的を果たすために「友達」と戦わないといけないから、あとまわしにしていたんですね…気軽に「明日にしよ!」なんてネタを1年間使っていた自分を叩きに行きたいです。
後半パート
ヌメリー
だけど世界が滅びちゃうっていうなら、それもまたいいかもね
良くない!…死んじゃったらお菓子食べられなくなっちゃうじゃない!
滅んじゃうっていうなら仕方ないよね…みたいな諦めを大人は持ちがちなので、ヌメリーの気持ち、ちょっとわかります。
そんなあとまわしムードの中でも「良くない!」って即答してくれるエルダの純粋さが新鮮で、日々の忙しさに流されてやる気が無くなっている私の心に刺さります。
世界が滅んでほしくないのは「お菓子食べられなくなるから」という日常を大事にするプリキュアらしい理由も大好きです。
トロピカる部会議
ここで全員上履きを履いているのがちょっと面白いポイント。
物語的には靴を履いているのがしっくり来るのですが、作画的にそういう指示だったんだろうなーって思います。
今日の名乗り口上
全速前進!トロピカル~ジュ!プリキュア!
あと数回しか聞けないと思うと感慨深いですね。
全速前進!!トロプリらしい真っ直ぐな名乗りで物語もクライマックスに…!
チョンギーレ
チョンギーレ!
俺は何をしてたんだ?
無事を確認、安心!!
…と言ってもすぐやる気パワーを取られちゃうわけですが、ひとまずひと安心です。
戦闘シーン
あなたの大切な人はもういない!でも、その人を思う心があれば…
私は…破壊の魔女だ!
この超終盤で、敵勢力として見ていた「あとまわしの魔女」が優しい存在だったとわかる展開がうますぎて震えます。
トロプリに悪役なんていなかったんだ…。
一番大事なこと
あなたは戦うことなんて望んでない。ずっと、あとまわしにしてきた大事なことをやろう!
プリキュアを倒して世界を破壊すること!それが私の一番大事なことだ!
そうじゃない!…人間の女の子と仲良しになること!それが、あなたがずっとあとまわしにしてきた、勇気がなくて出来なかったこと!
もう、鳥肌止まらなかったです。
「アウテーネと戦いたくないから破壊をあとまわしにしたんだよね」としか考えてなかった私は、この発想の転換に頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を受けました。
ここまでのお話を観て、魔女があとまわしにしてきたことは「仲良しになること」とサマーと同じように考えることが出来た人は極々少数だったのではないでしょうか。
こういう考えをできるのがプリキュアなんだな…としみじみ思いました。格好良いなぁ。
再会
会いたかった…
私はお前と…友達に…
戦闘シーン用の劇伴がバリバリ流れているところからスッと哀愁のただよう音楽に変わったのもあり、ただでさえ涙目だったのにもう涙だーだーです。
魔女が泡になった理由ですが、以前「残された時間はもうあまりない、私の寿命が尽きる前に…」と言っていたことから、普通に寿命なんじゃないかと考えています。
最後の最後に、ずっと会いたくてあとまわしにしていたオアシスとの再会が出来て本当に良かったです。
泡となって消えてしまった後の話は「アネモネ」のところに散々書いたのでここでは省略します。
基本的に苦しんでいる様子しか描かれなかった方ですから、これからは素敵な時間を過ごしてくれるといいな…と思います。
キュアオアシス
待って!あなたの名前は?
キュアオアシス…
また会いましょう、キュアオアシス
良かった!今の2人、すっごくトロピカってるよ!
キュアオアシスはもう魂だけの存在で、(おそらく)もう会えないのにも関わらずいつも通り名前を聞くサマーの一貫性が格好良いなーって思いました…が!たぶん違いました。
サマーもラメールも「また会える」と思っているからこそ、こう言っているんでしょうね。
バトラー
どうして私を置いて行ってしまわれたのです…人間の少女などに惑わされて…
散々黒幕!黒幕!と言い続けていましたが、ザ・黒幕って感じではありませんでしたね。
破壊だけを望んでいるのなら、理由を忘れたあとまわしの魔女に「キュアオアシスはもういない」と伝えさえすれば、元来の力であっという間に世界は侵略できていたことでしょう。
でもそうせず、魔女様の変化に合わせて目的も「永遠のあとまわし」とし、なんとか魔女様が悲しまないようにしてきたのがわかります。
蓋を開けてみれば、「”魔女様の望むこと”を自分の一番大事なこと」として長年仕えた、信念のある格好良い従者だったってことですね。
魔女様の意思はこのバトラーが!この世界は私が破壊しましょう!
最後の1杯はあなたたちからいただきましょう
雑な変身解除その2!…のことは置いときましょう。
実は放送日前日に「バトラーが自分にヤラネーダのもとを使う展開は…ない!だって黒幕でしょー?」とか言っていたので盛大なミスリードをかましている私です。
次回予告
あと2話!…記憶の話全然解決してないし、トロフェスもあるしでどうなるのー!